2015 October

 

   
 
 
すっかり初秋の軽井沢、そろそろ紅葉が始る。まだ濃い緑を残す樹の中、先に真っ赤に色ずいたもみじとのコントラストが美しい。

 

 

 
 
事務所とアトリエ、自宅が同じ建物なので、忙しくなればなるほど外に出な い・・・。唯一の気分転換はお料理とお客様。朝のうちにテーブルセッティ ン グを整え、仕事の合間に少しずつ準備する。こんなリズムが仕事にもとても良い ように思う。主人のゼミの院生W君達がフランス建築見学旅行の写真 を持って いらっしゃる。コルビジェのラ・トゥーレット修道院にイギリスのアーティス ト、アーニッシュ・カプーアのインスタレーション。やっぱり実 際に行った方 の写真や感想はライブ感がある。ネット上の情報よりもこんな生の情報を大切に したい。

 

 

   
 
 
パリで入院している友人から写真が届く。退屈で「スマートフォンが神様に見え る!パリの病院に居ても東京の友人とライヴでチャット出来ることに感 謝!」 と。こんな時代になっても医療の基本はマニュアル、バーチャルに解決できる事は何もない・・・。アメリカから移植のための臓器がパリに到 着、その後はヘ リコプターで病院に届けられる。

 

 

 
 
母校の学園祭「和祭」に伺う。「和」とはハーモニーのこと、穏やかで教えを含 んだネーミングに卒業して30年、ようやく気が付く・・・。昨年は第 一回の ホームカミングデーの講演会をお引き受けしていたので少々緊張気味だったけれ ど、今年はゲストなので楽しみに伺う。ゼミの先生がまだ在任で いらっしゃる 事も嬉しく、懐かしい先生の研究室をお訪ねする。自分の道を早くに決めてし まった私は学校のカリキュラムに収まり切らなかった学生時 代。「教える事」 より難しい「見守る事」、今の私があるのは間違いなく先生のおかげ!恥ずかし くも懐かしい思い出話は尽きない・・・。

 

 

   
 
 
羽田空港から国際線に乗るのは本当に久しぶり。新しいJALのラウンジの素晴 らしいこと!どこぞのホテルのよう。ヨーロッパの空港とは違うアジア 各国や アメリカ便の飛行機が並ぶ。夕暮れの空港はどの国でも美しい・・・。

 

 

 
 
 
時差が一時間あるので香港の到着は深夜に・・・しかし、空港は真昼間のよ う!24時間空港というのを実感する。香港ほどタクシーが当てにならない 街 はない。渋滞も24時間?いつ着くか分からない。バスがネイザンロードに入る と懐かしいネオンがひしめくいつもの香港。でも湾が近ずくメイン ロードに入 ると街路樹などが植わってすっかり整っていることに驚く。

 

 

 
 
朝の遅い香港、朝型の私にはなかなかツライ。いつもの角部屋を頂いたのでカー テンを明けると香港湾が見渡せるゴキゲンな景色。早速PCを開けるも 繋がら ない!今時?近くに出来た巨大なショッピングセンターが開くのを待ってスター バックスへ。やっぱり・・・、アジアの国では「スターバック ス=WIFI」 の方程式は今も健在。巨大なエレベーターは高層のため階を飛ばして上へ下へ。 ビルの中なのにパノラミックな光景にボーゼンとする。

 

 

 
 
喧騒とスターバックスのWIFI難民にすっかり疲れペニンシュラ・ホテルへ。 母の古希のお祝いに招待した懐かしいホテル。アーケードも相変わらず ゴー ジャスで、水晶の判子をオーダーしたブティックも、オーダーメイドの仕立て屋 さんも健在。母がここで仕立てたスーツを私のサイズにお直ししたいとオー ナーにご相談。ジャスミンティーを頂きながら母を偲ぶ素敵な時間。

 

 

 
 
香港の日々も長いお付き合いの方々によって支えられている。珊瑚も真珠も私の 難しいリクエストに「何とかしてあげよう!」といつも最善を尽くして 下さる からこそ、作品のクオリティも保たれている。世界中で珊瑚の取引をしていらっ しゃるR氏。ヴァチカンの珊瑚をあしらったロザリオはR氏のア イディアと か。台湾、メインランド・チャイナ、香港と一言で「CHINA」と表すにはあ まりにも違う文化。言語も台湾とメインランドはマンダリ ン、香港は広東語と 全く違う。2つの中国語を操りながらヨーロッパやアメリカへ。ダイナミックな お話を伺いすっかりパワーをチャージする。

 

 

 
 
結局石の工場とホテルのお部屋、WIFIポイントのスターバックス・・・だけ で香港は終わってしまう。ようやくほっとしてネイザンロードを眺めな がらイ ンヴォイスの整理にいそしむ。出国を控えて書類を揃える朝もまたスタバ・・・ 空港にも巨大なスタバを発見!

 

 

 
 
喧騒の香港から帰国すると軽井沢の凛とした空気感は生き返るよう・・・、正に REBORNという感じ。紅葉も少しずつ深くなり 複雑に絡み合った微妙な色はまるで天然のタピストリー。家の周りをお散歩した り、暖かくしてテラスで紅葉を眺めながら仕事にいそしむ。

 

 

 
 
香港の喧騒からは想像も出来ない静かな雨の軽井沢。しっとりした森の匂いや、 雨に濡れて一段と鮮やかになった紅葉が美しいミスティーな休日。久し ぶりに プールでひと泳ぎする。プールの水面に紅葉が映り込んで何ともファンタジッ ク・・・。

 

 

 
 
湯島の旧岩崎邸庭園内にある国立近現代資料館のコルビジェ展へ、主人のゼミの 皆さんとご一緒させて頂く。素晴らしい秋晴れに恵まれ、ジョサイア・ コンド ル設計による洋館のテラスからは美しいお庭がパノラミックに広がる。同時期に 竣工したという書院造を基調とした和館に移ると静かな清涼 感・・・。このコ ントラストも面白い。

 

 

   
 
 
ひたすら仕事ばかりしていた10月もようやく終わる。「1年があっという間」 という人も居るけれど、私としては「まだ10月?」アトリエに新しく しつら えたコーナーでアペリティフを頂きつつ、年末までの膨大な仕事量に軽い眩 暈・・・。

 

 

   
 
 
diary index さまざまな整理がようやく終盤になり、再びガレージセールを再開。皆さんが 待っていて下さったかのように再びいらして下さってとても嬉しい。手芸 教室 の方はお作りになった作品を持って来て下さりその素晴らしい出来に感激する。 毛糸やハギレ、フェルトやモール、チャリティーのための試作用素 材も素敵に リサイクルされて嬉しく思う。 page top

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